曖昧劣情lover19

BL妄想小説です

閲覧にご注意くださいね

出来たらもう二度と

会いたくなかった。

そんなことを胸の中で思いながら、

いきなり楽屋を訪ねてきた凛子を

テーブルを挟んだ向かい側の席へ

案内した。

パーティーの時は手が滑って

しまったとはいえ、スーツを

汚してしまってごめんなさい。

あれからずっと気になってたんです。

ワインの汚れ、大丈夫でしたか?

それでわざわざ来てくれたの?

全然平気だよ、大した汚れじゃ

なかったし綺麗に落ちたから

そうですか、良かったぁ〜!

あ、これせめてものお詫びです。

焼き菓子買って来たんです、

良かったら受け取ってもらえ

ませんか?

お詫びなんて良かったのに。

焼き菓子までごめんね、

せっかくだしメンバーとありがたく

いただくよ

話があるならと、俺たち二人へ

楽屋を明け渡してくれたメンバーが

部屋を出て行く時にちらりと見せた

心配そうに見守ってた顔が目に

浮かぶ。

俺は例のパーティーの時みたいに

完璧な作り笑顔を浮かべて返した。

凛子が俺に会いにきた、真の目的を

予測しながら。

そういえば二宮さん、

あたしたちのドラマ

観てくれていますか?

もちろん、毎週欠かさず。

メンバーが主演だしね

あたしたちのと、やけに強調した

口調で問いかけられ、思わず片眉が

上がりそうになるのを自制する。

そうとは思ってたけど、危惧してた

通り、凛子の話は大野さんのことで

間違いなさそうだ。

昨日の撮影、

キスシーンだったんです

へぇ、そうだったの?

お仕事だってわかってるけど

それでも相手が大野さんだから

ドキドキしちゃって。

大野さんが上手にリードして

くれるから、よけい緊張しました

ふふっ、そりゃドキドキだ

ムカつく。

何なの?

その赤らめた顔からチラホラ

見え隠れしてる優越感と狡猾に

光った視線は。

あの人に恋しちゃうのは勝手だけど、

キス一つ、しかも演技だってのに

もうあの人を手に入れたつもりで

いるの?

まぁね、美人だし。

スタイルだっていいからよっぽど

自分に自信があるんだろうね。

けど、ここで俺が幼稚な嫉妬を

見せたって、彼女を喜ばせてしまう

だけだ。

俺は気持ちを引き締め、笑顔を

崩すことなく凛子へと口火を切る。

ドラマ撮影の忙しい中、

本当は俺に何の用事?

大野さんのことじゃないの?

いきなり核心を突いてきた俺に

意表を突かれた凛子が長い髪の

毛先を指先で弄んだあと、強気で

言った。

大野さんに嫌われて、

彼に振られてください。

あたし、二宮さんが邪魔なんです

俺たち付き合ってないよ?

凛子の言葉よりも自分の言葉に

ちくりと胸が痛んだけど、想いを

伝え合えてるわけじゃないから

そこは嘘じゃない。

そんなの絶対に嘘。

信じませんから

信じませんと言われても。

どうして俺たちが付き合ってる

なんて思えるの?

だって大野さんの口から

出てくる話題は嵐さんのこと、

特に二宮さんのことばっかり。

その時の大野さんの顔を見れば

それくらいわかります

宥めるように話す俺とは対照的に

苛を少しも隠そうとしない彼女。

短いつき合いの凛子からもさえ

それくらいと言い放てるほど

大野さんが俺へと向けてくれてる

気持ちに、長い間ずっと傍にいた

自分は気づいてやれてなかった

のかと考えると、改めて大野さんに

深く詫びたくなる。

凛子への怒りよりも、大野さんへの

申し訳なさが先立った。

つき合ってる云は置いて

おいて。

大野さんが俺を嫌うよう、

あなたに何か策でもあるわけね。

けど俺が嫌だと言ったら?

大野さんって、

たしかお酒弱かったですよね?

ちょうど一週間後に予定されてる

ドラマの打ち上げで大野さんを

酔わせてホテルに誘います。

知り合いのカメラマンを

忍ばせて

へぇ?

さすがに心中穏やかでいられなく

なり、笑顔をスッと消した俺に、

凛子が一瞬だけ息を呑んだ。

正直俺は、自分のことをそんなに

お人よしだとは思っていない。

もし俺が嵐という、大好きな人たち

ばかりに包まれたグループに属して

いなかったら、

もし俺の好きな相手が大野さんじゃ

なかったとしたら、

きっと俺はこの子に対して何を

してたかわからないくらい、

腹の中は煮えくり返ってた。

いいよ

え?

大野さんが俺を嫌うよう、

あなたが考えた策を飲めば

大野さんに手出ししないんでしょ?

俺に何して欲しいの?

だけど迷いもなく俺の発した一言に、

凛子は口の端を引き上げくすりと

ほくそ笑むと、俺を見下したような

態度を見せた。

さすが嵐さんはメンバー愛が

深いですね。

それが結成15年以上経つ絆

ですか?

それともまさか本気で大野さんの

ことが好きだなんて言わないです

よね?

もし本気だっていうなら男同士

なんて気味悪いしバッカみた

愛してるよ、大野さんのこと。

この気持ちだけは他の誰にも

負けないほど。

もちろん、あんたにだって。

だから俺はあんたの話に

乗れんだよ

初めて睨みを利かせ、射抜くような

瞳と低い声音で告げると、凛子が

おののき、そのまま唇を噛んで

押し黙る。

大野さんの代わりに俺が

誰かとホテルにでも行けば

いいわけ?

そんで、そこにもカメラマンを

忍ばせる?

あの人があんたの白羽の矢に

立たされることはないって約束

するなら、

俺は何だってやるよ?

そんな凛子にかまわず口を動かし、

自分で描いたシナリオを淡と

紡いでいく。

だったらそうしてと凛子が呟き

頷くのを冷静に見届けた。

続く

昨日のニノさんが神回だったと

いうことで、友達が写メを何十枚も

送ってくれたんですけど、既に

胸アツです。

ニノちゃんの演技に対する覚悟や

アカデミの時に語ってた新人賞に

対しての拘りを改めて知れました。

こちらはアカデミ授賞式ニノさんは

まだ観てない方も多いと思うので

こちらでは2週遅れのニノさん

放送が楽しみです()