キス。月の光

三歳になったばかりのウォルがチェヨンと散歩から帰って来た。

屋敷の縁側で待っていたウンスに、ウォルが駆け寄る。

後ろから小走りのヨンが見えた。

ウォル!転ぶぞ!前を見て走れ!

ウンスに辿りつくとウォルがウンスに抱きついた。

オンマ、ウマしゃん乗った。

ウォルが馬に?

凄いねぇ。かっこいいね。

頭を撫でられ嬉しいウォルがへへっと笑った。

チュホンは可愛い顔をしているから、オンマも好きよ。

ウォルも、しゅきー!

にこぉと、笑うウォルに、ウンスが顔を綻ばせた。

あぁー、もう、ウォルって可愛くて食べちゃっいたい!!

ウンスがウォルを抱きしめると、ウォルが痛そうな声を出した。

オンマー、痛いー。

ごめーん。ウォルが可愛すぎて。

オンマはね。ウォルが大好きなの。

ウォルは?オンマの事好き?

オンマ、しゅきー。

また、ぎゅっと抱きしめるウンスにウォルが身を捩り、ウンスの腕の中からウォルが抜け出した。

チェヨンがチュホンを馬小屋に繋いでから帰ってきた。

ウォルがチェヨンに駆け寄る。

アッパ、アッパ!だっこ!だっこしてー。

チェヨンの前でぴょんぴょんと跳ねるウォルを、チェヨンは抱き上げ片腕で抱いた。

チェヨンに抱かれているウォルに、縁側に座るウンスが声を掛けた。

ウォルはアッパも好き?

オンマはアッパが大好きなの。

ウォルねー。アッパ好き。

ちゅー。ちゅー。

そう言いながら、唇を尖らせてチェヨン唇に目がけて顔を寄せてくるウォルにチェヨンが凄く焦っていた。

いいや、ウォル。男同士でそれは

そんな事を言って困っているチェヨンの表情を見て、ウンスが笑っていた。

ウォルの唇から逃れようと必死なヨンだったが、ウォルはチェヨンの顔を掴んでその唇に自分唇を押し付けた。

ぶちゅっと合わさったウォルの唇に、チェヨンがまた複雑な表情をしていて、それが更にウンスを笑わせた。

お腹を抱えて笑うウンスをちらっと睨むと、ウォルを腕から下ろした。

ウォル、テマンと手を洗ってこい。

はーい!テマンしゃん、いくー!

ウォルがテマンと共に屋敷の裏の井戸に向かうと、チェヨンはウンスの隣に座った。

ウォルとキスするの嫌なの?

可愛いのに。今だけよ?

ウォルは男ですし、それに、大きくなったあいつの姿も知っているので。

大きなウォルにキスされても私は嬉しいけど。

あなたにそっくりなイケメンですもの。

天界の言葉にも慣れてきた、大体意味も分かる。

ウォルは確かにいい男だった。

だがあの大きなウォルがウンスに口付けを?

いや、ない。想像しただけで苛つく。

息子だろうがウンスの唇に触れるのは許せない。

待てよ。

ウンスはウォルと共に百年前の世界に一年も一緒に居た。

もしや、その間に何か。

いや、あの男はウンスを守りたいと、その一心のみで側に仕えていた筈、それに一緒に住んでいたのは別の男だったな。

ヨン?どうしたの?難しい顔をして。

俺はウンスを縁側に押し倒し、口付けをしていた。

ちょっと!ウォルが帰って来るから!

そう言われたが、もう一度唇を塞いだ。

啄む様な口付けを繰り返すと、薄っすらと開いた唇に深く口付けをする。

ウンスがチェヨンの首に手を回すと、ウォルの足音がパタパタと聞こえた。

チェヨンは身体を起こすと、ウンスの腕を引いてウンスの身体も起こした。

何もなかった様に振る舞うチェヨンとウンス。

ウォルー。手っては綺麗になった?

平静を装い、ウンスがウォルに声を掛けた。

ほらーっと小さな手を広げて見せるウォルが可愛すぎてウンスはウォルに顔を寄せた。

ウォル、オッパにちゅーは?

ちゅー。

ウォルがウンスの唇にキスをすると、チェヨンが嫌そうな表情を浮かべた。

ウォル、ウンスに口付けしていいのは俺だけだ。忘れるな。

ヨン、大人げない。

こういう事は幼い頃から言い聞かせておかないと。

真剣な表情でそう言うチェヨンにウンスは呆れながら立ち上がり、屋敷の中に入っていく。

ウォル、オッパは放っておいてお風呂入ろー。

おふろ、しゅきー。

履物を脱いで、屋敷の中に入っていくウォル。

ウォル、やはりウンスは唇は譲れない。

未来のウォルと今のウォルを重ね合わせながら、

よくわからない嫉妬の目で見るチェヨン

振り返りその顔を見たウンスがウォルを待たせて、チェヨンの所に戻ってきた。

ウンスはチェヨンに跪き、ちゅっとキスをした。

私の唇も、全てあなたのものでしょ?

怖い顔をしてるとウォルに嫌われるわよ。

そうだな。

子供に妬いても仕方ない。

ウンスの全ては俺のものだからな。

そう思いながら、口元に笑みを浮かべたチェヨン

ウンス、俺が風呂に入れよう。

夕餉を食べさせて、早くウォルを寝かせて続きを。

急に表情が明るくなったチェヨンを見て、ウンスは安心した表情を浮かべた。

ウォルー!オッパがお風呂で遊んでくれるって!

オッパ、早く!早く!

チェヨンの腕をウォルが引っ張っていく。

嫉妬深いのは知っていたけど、まさか子供にまでねぇ。

ウォルにちゅーが出来るのなんて今だけ。

可愛いウォルにいっぱいちゅーしたい!

でも、チェヨンが居ない時にだけしようと心に決めたウンスだった。

キス祭りはこれで終わりです!

出し切りました!笑

急に思いつき、急いで書いたので、粗さが目立ち読みづらかったかと思います。

それでもお付き合い頂きありがとうございました!

皆様はどのキスがお好きでしたか?

私はウォル?笑

チェヨンはどのチェヨンも好きなので選べない!!

まいあさんにお借りしています。

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